パーキンソン病に対する鍼の効果について、実際に施術をおこない、経過を観察させていただいている。
一人は自宅で全く動けない状態になっているところを発見され緊急搬送。そのまま入院し、退院とともにサ高住に入所した方。
施術前に状態をうかがった際は、会話はできるものの、自力で体の向きを変えることも困難で、ベッドから滑落した場合はコールボタンが押せず、施設職員に発見されるまでそのままになってしまうような状態だった。
正直、サ高住での生活もいつまで続けられるかというような状態だった。
本人の強い希望により、週に2回の鍼およびマッサージによる施術をおこなったところ、徐々に状態が改善。
現在は状態が良ければ、タクシーでの外出が可能となり、タブレットを操作して通販をしたり、体調の改善とともに新たに購入した大型TVでYouTubeを観て過ごすなど、当初では考えられないくらいの状態になったと喜んでいる。
調子の悪い時は以前より格段に減り、調子が悪い時でも身動きが取れないということはなくなったとのこと。安静時の振戦はみられるが、固縮はほぼなくなっている。
こちらの方については、非常に状態が改善されているため、引き続き施術及び経過の観察を続けさせていただきたいと考えている。
しかし、自分がやっている施術がすべてのパーキンソン病の方に通用する施術とは限らない。
近いうちにパーキンソン病を患っている別の方の施術と経過についても投稿しようと思う。
以下には、もう一人の方の状態と経過を記載する。
当初は①の人に比べると、状態が良く、調子が良ければ300m程の距離にあるコンビニやドラッグストアに買い物に行ける状態だった。時折、体が固まって動けない時があるとのことで、調子が悪い時に自費でのマッサージを依頼されていた。
初回のマッサージから1年ほど経過したころ、状態が悪い時が増えているとのことで定期的なマッサージの依頼があった。一人で病院の受診に行くことができなくなり、生活において、介助が必要な場面が増えているとのこと。
何回かのマッサージ施術の後、こちらの方も鍼施術をうけてみるという話になった。
本人にいわく、施術開始前に比べると一時期に比べると調子のよい状態が長くなった気がするとのこと。鍼での施術回数及び施術期間が短いこともあって情報は少ないが、鍼によるパーキンソン病の状態改善の可能性を感じる。
金銭面の負担から現在は施術を週1回としているが、進行性の疾患であることから、いつかの新薬開発などの明るいニュースがでる時まで、現在の状態を維持するために、状態によっては週2回の施術が望ましいかもと考えている。
開発された新薬が初期症状の方に対してのみ適用ってパターンもあるので、進行性の疾患については進行を遅らせたり、一時的でも改善される方法があればそれを続けるというケアも必要だと思う。
他にALS(筋萎縮性側索硬化症)を患っている何名かの患者さんを担当しているが、施術はあん摩・指圧・マッサージのみで、はりやきゅうによる施術は行っていない。初期症状の患者さんがいないというのもあるが、やはり施術が自費となると躊躇されるものである。
ALSには酸化ストレス原因説というものがあり、これに対する薬での治療法でラジカット(一般名:エダラボン)がある。こちらは点滴静注をおこなう。
酸化ストレス原因説を前提とすると、症状が比較的初期段階であれば、はりやきゅうの効果が望めるかもしれない。あわよくばパーキンソン病の方たちのように一定の改善と進行を遅らせることが可能かもしれない。そういう出会いがあれば、ぜひ対応させていただきたいものである。
酸化にも効果があるとすれば、ここのところよく聞くようになった糖化にも改善が望めるかもしれない。IPS細胞を用いた治療や様々な薬が開発されるまでの時間稼ぎとしてでも、機会があれば挑戦させていただきたいものである。
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