令和4年度あはき療養費改定を前に

今回は完全に業界の話なので、一般の方にはわかりにくいかもしれません。

令和4年度のあはき療養費改定の中の検討内容のひとつに、あん摩・指圧・マッサージの料金の包括化というものがあります。

以前の記事でも少し書きましたが、あん摩・指圧・マッサージの施術は1局所あたりいくらというのが決まっており、かかりつけ医に同意書を書いていただいても、同意が1局所では正直商売にならないのですが、この検討の中で、1局所あたりいくらという考え方ではなく、1回の施術あたりいくらというふうに料金を包括化する改定を検討されています。

こちらについては、厚生労働省のあはき療養費改定についての検討資料に料金の包括化の検討理由の一つとして、『人体は筋、筋膜、骨格等によってつながり影響し合っているため、患部の改善のため、患部とともに、非麻痺側等の患部以外への施術も必要となる場合がある。』という記載があるように、麻痺側だけ同意されている患者さんにとっても、施術者にとってもよい改定となりそうです。

ただ、この改定が行われた場合は、マッサージ5局所に加えて変形徒手矯正術4局所の同意が得られている方などの場合は、施術料金が下がると思います。

もしそうなると、患者さんにとってはありがたい改定で、施術者にとっては残念な改定になりますが、これまでもそういう改定が続いているので、その辺りは「ある程度」考慮された形での改定になると自分は考えています。

改定によって、患者さんによって施術料金が変わることについては、検討資料の中で『これまでの料金改定でも、負担が増える患者、負担が減る患者のどちらも生じている。』との記載があるので、厚生労働省としてはそういう判断をしていると自分は推察します。

しかし、料金の包括化は施術者側は賛成、保険者側が反対ということで、今回は見送りになる可能性が高いかなと思ったり。保険者にとっては、同意がない部位を施術をするということに対しては、いくら治療のためとはいえ、色々と思うところがあるでしょう。保険の申請方法も変わるだろうし。

また、改定は2年に一度ですが、施術者の意見を反映させるという意味では、株主の電子行使のように有資格者に郵送、電子投票してもらえばいいのにと思う。投票内容はすべて賛成がほとんどになりそうですが、有資格者が制度について考えたり、意識を持つきっかけにはなると思います。

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