現在、あん摩・指圧・マッサージは保険適用の施術の場合、1部位あたり350円になっている。時間制とかではなく部位数での計算なのである。
たとえば腰の不調を主に訴えている患者さんが医師に事情を話した結果、医師が同意書を発行してくれたとする。
腰は部位の定義に当てはめると躯幹という部位に該当するので、医師は悩める患者さんの助けになればと思い、躯幹の施術ができるように同意書を書いてくれたとしよう。
これ、同意書を書いてもらえたといって喜ぶ患者さんに対して、施術者はその内容を見てどうしようとなってしまうケースである。
保険適用は躯幹だけ…1部位だと350円だけど、その施術料でできる施術ってなんだろうか。業界の相場通り1分100円として、施術しても5分くらいが関の山。それ以上施術したら完全に赤字になる。
これは自分の技量の問題かもしれないが、5分で改善させるのは非常に難しい。確かに一定の改善はできるけど、患者さんにしてみれば5分なんてあっというまで、もう終わり?って話になってしまう。
ここで短いと訴える患者さんには、自費で保険適用の施術にプラスアルファの施術をするのはどうですかと提案したりするわけだが、3割負担で105円の施術に自費を交えて15分とした場合、上の相場に当てはめると1105円になり、1000円を超える。そうなると保険が使えると認識してる人からすると高いからやめておきますとなってしまいがちなのである。
そもそも、同意書をもらったりなんだりする時間とお金を考えると、自費で15分で1500円の施術ならそっちのが書類だなんだといろいろ気にしなくていいし楽だなと自分みたいな人間は思ってしまう。
これも保険を使ってほしくない方々の狙いかもしれないが…患者と施術者にやさしい制度になってほしいところである。
いつか、施術者が状態を判断、比較的短期間であれば施術は保険適用とし、施術が長期になる場合は、現在のように医師の同意書が必要という形になる日がくるだろうか…。
※以下は制度を把握されてる方向けの話です。
上で書いた、保険での施術に自費を合わせるというのは延長ではありません。腰痛を改善するために保険適用の範囲ではできない特別な施術を、それとは別におこなって合計15分ということです。
これは保険適用の施術については、あくまで部位数の計算で、時間の長短で料金が決まっていないからです。施術時間が長くなったからといって延長料金(自費)を取ることは制度としてできないのです。
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